ラーガmeetsズール?!「SAICOBAB」独特の世界観

最近聴いて白目をひん剥いたアルバムがある。SAICOBABが今年(2017年)、14年振りに出した新譜「SAB SE PURANI BAB」だ。

 

SAB SE PURANI BAB

SAB SE PURANI BAB

 

 僕は初めて耳にするバンドだったのもあり、なんの偏見もなく聴いたのが最初だったのだが、聴いた瞬間に脳に強い衝撃を食らった感じがした。

 

 

メンバーは、シタール奏者のヨシダダイキチBOREDOMSのYOSHIMIO、SOIL & "PIMP" SESSIONSのベース、秋田ゴールドマン、パーカッション奏者として濱元智行が参加。(敬称略)

 

 

まぁ、凄くないわけがない(爆)

 

https://youtu.be/ah1suPqcpx4

↑(ライブ映像)

 

 

音楽スタイルとしては、ラーガを感じさせるインド的な音階の上にシタール、パーカッションが乗り、アヴァンギャルドなユニゾンスキャットが自由自在に動き回る。聴いているうちに頭がグルグルしてきそうな作品だが、取っ付き難いメロディーラインの割に異常なまでにキャッチーでポップなのである。それは正に、ラーガmeetsズール系。

 

 

それにしてもこれはマジですごい。ほんと、凄いっすよ。聴いてみて。中毒になるよ。

 

 

 

《追記 》

先日(7/29)荻窪ベルベットサンで行われたライブにも参戦してきましたが、ライブではアルバム以上(?)のテンションで楽曲を完全再現。本当に凄いの一言に尽きました。
f:id:sankakubuchi:20170810013914j:image

 

イタリアンプログレの大御所「アレア(AREA)」のパトリツィオ・ファリゼッリ氏、初公開独占インタビュー!〜アレアと政治思想の関係〜

 イタリアン・プログレの音楽的側面とは別のもう一つの顔として、バンドが政治思想と結びついたということがある。ここでは、イタリアン・プログレ(ジャズロック)バンド「アレア」の例を取り上げてみたい。アレアは「インターナショナル・ポピュラー・グループ」を標榜し、1972年頃から活動を開始した。主要なメンバーは、ボーカル兼オルガンのデメトリオ・ストラトス、ギターのパオロ・トファーニ、キーボードのパトリツィオ・ファリゼッリ、ドラムのジュリオ・カピオッツォ、サックスのヴィクトル・ブズネッロである。超絶技巧のジャズロックから、フリーインプロヴィゼーションまでを得意とするグループである。このグループは一時左翼思想と共鳴し、共産党の党大会で演奏したり、ライブの定番曲としてプロレタリアートの賛歌である「インターナショナル」を組み込んだりしていた。「インターナショナル」のライブ音源などは数多く残っているが、(→ https://youtu.be/mCR0RcfPT2s )当時の詳細に関してはあまり資料やインタビューが残っておらず、不明な点が多い。

そこで今回、私が個人的にSNSを通じて知っていたこともあり、アレアの中心メンバーであるパトリツィオ・ファリゼッリ氏に直接文書でインタビューを取ることが出来た。尚、このインタビューの内容のほとんどは私の知る限り世界初公開の内容であり、イタリアン・プログレの歴史の中で語られてこなかった事実として大変貴重なものとなった。以下、インタビュー全文を和訳と共に掲載する。(翻訳は三角縁神獣鏡による。)

 

三角縁神獣鏡 「Nel primo, perché AREA si è impegnata al comunismo? È stata l'influenza del Maggio francese? In secondo luogo, in quel momento, come hanno risposto i giovani audience quando AREA ha suonato "l'internazionale"?

(初めに、どうしてアレアは共産主義に傾倒したのでしょうか?それはパリ五月革命の影響だったのでしょうか?二つ目に、当時アレアが「インターナショナル」を演奏した時、観客の若者たちの反応はどのようなものだったのでしょうか?)」

 

 

ファリゼッリ氏 「Negli anni 70, in Italia, la sensibilità tra i giovani per le questioni sociali era molto forte e noi non facevamo eccezione.
Sicuramente il maggio francese fu importante per questo interesse, ma anche raduni musicali come Woodstock o l’Isola di Wight influenzarono l’immaginario di una generazione.
Però, quella che nel resto del mondo fu una semplice rivolta generazionale, in Italia, in Germania e in Francia prese il colore rosso del socialismo, del comunismo ma anche dell’anarchia situazionista.
Per circa un decennio il “Movement” fu molto forte e attivo e Area decise da subito di schierarsi apertamente in suo favore. Partecipammo dunque a tutte le iniziative più importanti cercando di diffondere un pensiero critico, socialista e libertario.
Quando incidemmo "l'internazionale", l’inno dei lavoratori, lo facemmo per uno scopo militante, cioè per raccogliere fondi per pagare le spese processuali di un anarchico imprigionato ingiustamente. Il nostro pubblico reagì in modo meraviglioso e il pezzo fu subito un grande successo, non solo in Italia, ma anche in Portogallo, dopo che la “Rivoluzione dei garofani” rovesciò il regime fascista di Salazar.

(1970年代のイタリアでは、社会問題への関心がとても強く、それは僕らも例外では無かった。もちろん、パリ五月革命は、この関心をそそるものとしては重要だったけど、それだけでなく、ウッドストックやワイト島のような音楽フェスティバルがその世代のイマジネーションに影響を与えたんだ。でもそれ以外の所では、単に時代的なものとして暴動が起こっていた。イタリアでも、ドイツでも、フランスでも、それは社会主義共産主義、そして状況による無政府主義として「アカ」を掲げた。約10年の間に、「運動」はとても強くなって、活発になっていった。そこでアレアは、それを公に支持することに決めたんだ。だから僕らは、社会主義者リバタリアンの批判的な思考を広めようと、最も重要な全てのイニシアティブに加わった。僕らが、プロレタリアートの賛歌である「インターナショナル」を録音したというのも、不当に投獄されたアナーキストの裁判費用を募る、という目的を達成する為だった。僕らの観客は素晴らしい反応を示してくれたし、その一部は大きな成功を収めた。それはイタリアだけでのことではなくて、カーネーション革命直後のポルトガルで、サラザール率いるファシスト政権を転覆させたんだ。)」

 

 

ファリゼッリ氏へのインタビューから、(政治思想とは別にして)当時の社会全体の状況の中で何らかの行動を取るような必要性があったという事が読み取れる。実際、このインタビューの中で語られたことからは、左翼思想を標榜しようという意思よりも、現在でいうところの「人権運動」に近い印象を受けるし、ウッドストックやワイト島フェスティバルのようなチャリティーフェスティバルと同じように、音楽の力を信じて行動しようというバンドとしての強い決心を感じる。驚くべき事実は、イタリアのバンドがポルトガルサラザール政権崩壊と深い関わりを持っていたことである。ゴダールの映画が大きな影響を与えたパリ五月革命はヨーロッパ各地に飛び火したが、イタリアの場合もまた、イタリアン・プログレはじめ音楽などの文化的要素が自国の改革、ひいてはポルトガルの政権転覆にまで影響を与えていたのだ。

 

 

 

アレアについてはまた追って紹介していきます…!今日はここまで!

 

 

自由への叫び(紙ジャケット仕様)

自由への叫び(紙ジャケット仕様)

 

 

 

井上銘「STEREO CHAMP」はマジでスゴいぞ。

現代日本のジャズシーンをリードする天才ギタリスト、井上銘の新作「STEREO CHAMP」は今年(2017年)リリースされた作品の中でも鮮烈で、衝撃的だった。

 

参加メンバーは以下の通り。(敬称略)

井上銘(g)
類家心平(Tp)
渡辺ショータ(Key/P)
山本連(B)
福森康(Ds)

 

「めっちゃ豪華やん…」と思わず息を飲むメンバーですね。これは名盤が生まれない理由がない笑

 

https://youtu.be/G_aN-_avrxM

↑ここで試聴可能

 

STEREO CHAMP / ステレオチャンプ

STEREO CHAMP / ステレオチャンプ

 

 

2011年にリリースされた1stアルバム「ファースト・トレイン」ではスタンダードナンバーを含め、まさに「現代的」な解釈でのジャズを披露、2ndアルバム「WAITING FOR SUNRISE」では、パット・メセニーmeetsスムースジャズといったスタイルを追求しています。

 

ファースト・トレイン

ファースト・トレイン

 

 

 

WAITING FOR SUNRISE

WAITING FOR SUNRISE

 

 

この衝撃の2作品から3年半の熟成期間を経て今回リリースされたこの作品は、前2作と較べても完成度が圧倒的です。PMG(パット・メセニー・グループ)meetsブレッカー・ブラザーズ、と形容するとわかりやすいでしょうか。(こう形容するのもおこがましいほど素晴らしいアルバムなのです!)

 

僕自身、井上銘さんを知ったのが割と最近なので短期間に三作品を聴いている訳ですが、短いスパンで聴いていながら、作品毎に頭を殴られるような衝撃が走るというのはあまりない事です。

 

パット・メセニー周辺のコンテンポラリー・ジャズ、フュージョン、クロスオーバーが好きな人にはドンピシャなアルバムだと思います。

 

Apple music、spotifyGoogle Play MusiciTunesでも聴けるようになったらしいので、是非聴いてみてください!!今年リリースされた作品で最重要作品の1つです!!

 

ジャズの文脈だけでなく、プログレの枠組みとしても聴けるのではないでしょうか?!!

 

 

 

ロカンダ・デッレ・ファーテ、7/21に40周年記念兼引退コンサート第1弾開催決定

40年にわたり活動を続けてきたイタリアン・プログレを代表するバンド、ロカンダ・デッレ・ファーテ(Locanda delle Fate)が40周年を境に引退するようです。

 

その引退ツアーの一貫として、7/21に第1弾のライブをイタリアでやるらしいという情報がベースのルチアーノ・ボエロ本人から入ったので共有しておきます。興味のある方はどうぞ。

↓↓↓
f:id:sankakubuchi:20170715190200j:image

 

折角なんで少しロカンダについて触れておきますね。

 

https://youtu.be/DsASFWGM95Y

↑ロカンダと言えば、やっぱり「妖精」でしょう。イタリアン・プログレを象徴するような美しいメロディーのシンフォはもはや伝統芸能ですが、このアルバムは格別に美しい。普通の人を(イタリアン・)プログレ沼に落とすには充分すぎるアルバムだと思います。

 

妖精+2 (紙ジャケット仕様)

妖精+2 (紙ジャケット仕様)

 

 

 

https://youtu.be/t_m38NlF4zs

↑近年のロカンダのアルバムもかなり出来が素晴らしく、ヘヴィ・シンフォの王道を往くバンドだっただけに、引退はかなり寂しい…。

 

ザ・ミッシング・ファイアーフライズ

ザ・ミッシング・ファイアーフライズ

  • アーティスト: ロッカンダ・デッレ・ファーテ
  • 出版社/メーカー: マーキー・インコーポレイティド
  • 発売日: 2012/02/25
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

最近はI POOH(イ・プー)の引退もあったことで、イタリアンロックにおける一時代の終わりを感じます。

 

新世代がどんどん引き継いでくれるといいんだけどね…。

日本のフリージャズ、ジャパノイズについて①〜ごった煮の歴史

日本のジャズは「フリージャズ」と「Jフュージョン」しかない、というのは強ち間違っていない。中でもフリージャズは日本が世界に誇れるものだけど、日本国内ではアングラ扱いされて受け入れられていないのが現状だよね。(何故か海外の人の方がよく知ってる。)

 

 

日本のフリージャズはごった煮。

 

 

喩えるなら、アリストパネス(Ἀριστοφάνης)の『女の議会(Ἐκκλησιάζουσαι)』に登場する、「ありとあらゆる種類の食材を含んだ料理(λοπαδο­τεμαχο­σελαχο­γαλεο­κρανιο­λειψανο­δριμ­υπο­τριμματο­σιλφιο­καραβο­μελιτο­κατακεχυ­μενο­κιχλ­επι­κοσσυφο­φαττο­περιστερ­αλεκτρυον­οπτο­κεφαλλιο­κιγκλο­πελειο­λαγῳο­σιραιο­βαφη­τραγανο­πτερύγων)」に近いっていつも思う。つまり、可食だけど非実用的、非日常的、そしてごった煮。ほんとこれ。マジでこれ。

 

 

日本のフリージャズは海外のそれとは違ってめちゃくちゃマッチョ。一度洗礼を受ければ今の若者にもウケるんじゃないかとか思うけどな。

 

 

ってことで、地道に日本のフリージャズとジャパノイズについて「若者向け」「初心者向け」に紹介していこうかなって感じです。今日は日本のフリージャズのメインストリーム、とりあえずここを抑えておけば大丈夫みたいな2つを紹介しますね。(敬称略で失礼します。)

 

https://youtu.be/_kCGARG0o_k

↑はいー、キタ。これこれ。日本のフリージャズの中で《最も》「ポップ」で「キャッチー」、そして最も有名な「山下洋輔トリオ」。曲は「キアズマ」。ヨーロッパツアーを敢行して世界中に衝撃を与えた、山下洋輔(pf)、坂田明(as.)、森山威男(dr.)という黄金期のメンバーによる再結成ライブ。ヨーロッパツアー時の山下洋輔トリオは、海外の大物達がこの後に演奏したがらなかったらしい。理由は、この後どんな人がやっても観客が退屈するから。

マジで最高すぎる。世界で一番好きだし、尊敬してます。

 

キアズマ

キアズマ

 

 

そして次は…

https://youtu.be/4zPjFQQpbu4

↑はい、きましたー(2回目)。高柳昌行阿部薫、「解体的交感」。フリージャズから、[泣く子も黙る]ジャパノイズに分派していく過程で最も重要な高柳昌行阿部薫のセッションシリーズですが、まさにこの「解体的交感」と、「集団投射」は記念碑的アルバムと言っていいでしょう。高柳昌行は「あまちゃん」の大友良英の師匠ですが、非常階段のJOJO広重もこれらからの影響を公言しています。ここから日本の世界天然文化遺産である、ジャパノイズに分化していったわけです(感慨深さ)。これデュオだぜ。それでこの音の厚さなんだぜ。

 

解体的交感

解体的交感

 

 

 

集団投射-Mass Projection

集団投射-Mass Projection

 

 

響き渡る轟音。凄まじい音の壁。1回ヘッドホンつけて、爆音でフルアルバム聴いてみるといいと思います。絶対沼に落ちるよ〜〜。

 

 

ではでは〜〜

 

 

 

神獣鏡、ブログはじめます。〜ab ovo usque ad mala

ラテン語の成句に《ab ovo usque ad mala(卵からリンゴまで)》というのがありますね。初出はたしかホラティウス。ローマ人の食事が卵から始まり、リンゴで終わることから、「始めから終わりまで」って意味。今でも、《ab ovo》単体で「始めから」みたいな感じで使いますよね。

 

ここまでは話の枕。

 

何が言いたいか。

 

三角縁神獣鏡、ブログはじめます。

 

とりあえず始めたはいいけど、《ab ovo(最初から)》何書いていいかわかんない…。

 

そこでとりあえず。《ab ovo》、「卵」に関する音楽でも紹介しようかな。みたいな。

 

https://youtu.be/Y6OsEndEf30

↑ブラジルの至宝、Hermeto Pascoalの“o ovo”のカバー。Hermeto Pascoal e grupoのド級変態ピアニスト、アンドレ・マルケスに、ブライアン・ブレイドとジョン・パティトゥッチという大物タッグでピアノトリオ編成。全編パスコアールの楽曲カバーだけど、申し分ない仕上がりなのでふ。

 

Viva Hermeto

Viva Hermeto

 

 

あと、メジャーだけど「卵」で思いつくのはこれくらいかな、ってことで。 

https://youtu.be/3BBQ3V_Vh5g

↑1970年発表、言わずと知れた(?)ブリティッシュプログレの名盤。eggのファーストアルバム、「EGG」。URIELにスティーブ・ヒレッジとデイブ・スチュアートがいたのも驚きだけど、eggにヒレッジは絶対要らないよね…うん。やっぱり要らない。このオルガンの泥臭さだけでご飯3杯食べれるよ。

 

エッグ+3

エッグ+3

 

 

 

こんな感じでゆるふわ系の音楽紹介していこうかな〜、って感じです。よろしくお願いしまする〜〜( ੭ ˙ᗜ˙ )੭